
2020.1.27
新しい時代の店舗マネジメントの“武器”に!お客様に選ばれ続け、業績も伴う「良い店」づくりへの挑戦!
この事例のポイント
- 01.
- 「thanks!」は新しい時代の店舗マネジメントの“武器”
- 02.
- MVP表彰は堂々とほめて、ほめられるツールとして効果的!
- 03.
- 「thanks!」で顧客視点の醸成を!
悩み・きっかけ
お客様がまた来たいと思う「良い店」をつくりたい。
▲辻本取締役兼支店長
お客様に選ばれ続け、業績も伴う「良い店」づくりを目的に「thanks!」を導入しました。
感謝やほめ合うコミュニケーションを通じて、店舗チーム一体となった雰囲気のいいお店づくりを目指しています。映像や音楽をネットで楽しむ人が増えている時代、レンタルや購買のためだけに店舗に足を運ぶ客数の減少を課題と感じています。キャンペーン実績や売上も大切ですが、本質的にお客様がまた来たいと思う「良い店」であり続けることが重要だと考えています。TSUTAYAで働くことに一人ひとりが誇りを持ち、強みを発揮しながらイキイキと働いてほしい。そんな気持ちを感じてもらえるように取り組んでいます。
導入にあたっては葛藤もありました。
私自身、店長時代はFace to Faceでコミュニケーションをとるマネジメントでお店を創ってきたこともあり、当初は人間でできたことをわざわざアプリを使ってやるイメージが湧きませんでした。
一方で、現場の店長が、若いアルバイトスタッフとのコミュニケーションに苦戦する姿も見ていました。アルバイトスタッフの働き方の変化や、デジタルコミュニケーションに慣れた世代も多いため、昭和の時代のマネジメントだけでは通用しないというわけです。また、人員の効率化を図る中でのFace To Faceにも限界もあり、店舗で行う朝礼、連絡ノート等従来のやり方から今のやり方に適応する必要を痛感していたのも事実です。
TSUTAYAを取り巻く時代は、天下泰平ではありません。新しい時代の店舗コミュニケーション方法として、店長の店舗マネジメントの“武器”となることをイメージし「thanks!」アプリ導入を決めました。
導入プロセス
社内からトップダウン型のマネジメントを変えたいと思っています。
▲店長会で利用したスライドの一部
店長会で導入目的を伝えました。そこで意識したことは、店長たちが「やらされている感」を感じてしまわないこと。そのため、導入時はできるかぎり気軽に、且つポジティブに活用してもらえるようにしました。具体的には、いつまでに何件というノルマを持たせずに開始し(もちろん本部目線の目標は設定しましたが)、店舗で発信されたノートに対しては、本部から必ずthanks!を贈るように意識しています。
その背景には、従来のトップダウンのウェイトが高いマネジメントに変革を起こしたいという思いがありました。店舗特性上マニュアルが細かく決まっていたり、指示されることが多かったりする店舗スタッフは、気が付けば「指示待ち」が常態化してしまいがちです。それが悪いというよりむしろ、指示以外で考察やアクションが広がらない事がよくない。TSUTAYAの掲げるチーム目標達成の4箇条の中に「衆知結集」という基準があります。多様性の時代と言われる中、様々な特性のある各スタッフが力を発揮し、結集できる環境が今まで以上に必要。まずは彼・彼女たちの発信の機会があること、発信に対してポジティブなレスポンスがあることが重要と考えました。いきなりイメージするのもレベルが高いので、イメージの仕方を継続的にガイドしてあげることは重要だと感じています
効果・評価
Airshare機能で店舗を超えたコミュニケーションが生まれています。
Airshare機能では、直営18店舗の好事例を共有しあう使い方をしています。同じ看板のお店同士では、A店の好事例はB店でも効果的だったりします。タイムリーな情報共有や店舗を超えたコミュニケーションの場として盛り上がっています。
ある事例として、アニメ情報に詳しいスタッフがオリジナルで作成したPOPをノート紹介したのですが、それが素晴らしい出来で、他店でもぜひ使いたい!という声が上がりました。その後そのスタッフに了承を得て、実際に他店へ展開するというコラボも生まれています。オールフリーで使うわけではなく「展開したらthanks!に上げてね!」というルールにすることで、展開クオリティも確認できますし、何より発信者のモチベーションが上がります。
「thanks!」のいい所は、感謝・承認がモチベーションとなって発信が自発的に行われるところです。スタッフ同士もインスピレーションを受けて次のアクションに繋がりやすくなっていることを実感しています。今後はPOPや展開といった分かりやすい内容のみならず、もっとその人だけが気づいている、細かすぎて伝わらない!というような内容もどんどん上がってきてほしいなと思っています。
MVP表彰は効果的な施策です。本部から堂々とほめられるし、スタッフも気持ちよくほめられることができます。
▲MVP表彰を受けるスタッフの皆さん
MVP表彰は始めて良かったと実感しています。月に1回Airshareで共有されたノートの中から、店長陣が良い!と思ったノートに投票しMVPを決定しています。
全スタッフが受け取っているノートから選出すること、店長のコメントも全部ノート上で発表しています。
スタッフの「ほめられる」機会を日常的に増やしたいのだけれど、なかなか上手くいかない状況でもありました。私が店舗を巡回していてスタッフに声をかけることもありましたが、月に1回程度しか店舗に顔を出さない人にほめられても、スタッフにしてみれば不思議な感じですよね(笑)。Airshareに上がってくるノートの内容は様々なので、色々な切り口からほめることができるようになりました。「thanks!MVP」ならば本部から「ほめる」アプローチがしやすく、スタッフにとってもわかりやすいのだろうと感じます。
MVP受賞者には私が直接サプライズで店舗に赴き、表彰状をお渡ししています。ご褒美としてthanks!ポイントをプレゼントしていますが、喜んでもらえています。ですがポイントはあくまでもおまけにすぎないようです。もちろんポイントはスタッフにとって嬉しいでしょうけど、何よりも自身のノートが認められたことに誇りややりがいをもち、受賞後も積極的に発信してくれる姿がとても印象的です。ある受賞スタッフさんも目に見えて喜んでくれて、「今度はお店として表彰されるように頑張りたい」と素敵なコメントをくれました。
これから・期待
誠実にお客様視点を考えているスタッフが評価される環境を創りたい。
▲辻本取締役兼支店長
引き続きAirshareは「顧客視点を醸成し続ける」ために活用したいと考えています。
啓蒙に近いイメージです。文化を創っていくことが、TSUTAYAの直面している変化の時代を乗り越える支えになると信じています。個店ノウハウの水平展開を継続、各スタッフがお客様視点を持ち発信することで全店レベルでの衆知結集が実現している。様々な変化にも対応できるし、スピードも速い。
誠実にお客様視点を考えているスタッフにはきっちり評価をする環境を創りたい。スタッフ同士で共感しあったり、本部から表彰で光をあてたりすることで、自分のやっていることは間違ってないよねと感じてほしいです。そのためにも、継続的に活発に使い続けてもらう状態を目指し推進していきます。
それぞれの店舗レベルで文化が醸成され「このお店とこの仲間だから働きたい」が増えれば嬉しいです。例えば定年や卒業しても、気軽に戻って来れるような環境や事例を増やしていけるとか。想像するだけでも楽しいですね(笑)